毎年の受験結果を見ると、明確に明と暗の2つのタイプに分かれる結果になることが多い。滑り止め校はもちろん本命校もほぼ全て合格する子と、10校くらい受験してやっと1校受かる子の2タイプに別れることが多い。前者を「出来る子」、後者を「出来ない子」とすると両者の違いはどこにあるのか?この疑問に焦点をあててみたいと思う。長年、多数の生徒をみて来て統計的に、「出来る子」の育て方を記しておきたい。ご両親に是非、目を通して欲しい。勉強面ではなく主に生活面に注目してみたいと思っている。

                                      << 目  次 >>

                                      1. 集中力は絶対条件!

                                      2. ノートの字は大きく!でも、キレイにしすぎるのはNG!

                                      3.  台所は知識の宝庫!

                                      4.  挨拶出来れば受かります!

                                      5.  本棚は頭の中を表す!

                                      6.  意識を変えられなければ行動を変えよ!

 「出来る子」と「出来ない子」の一番大きな差は集中力である。厳しい言い方をするが集中力のない子は何をやってもダメである。どんな塾に入れても、どんな優秀な家庭教師がついても大して出来るようにはならない。だから、「出来る子」にするには

集中力は絶対条件である。

 どうしたら集中力を身に付けられるのか?これは永遠テーマであると言っても過言ではないが僕なりに今まで見てきた子で思ったことを記しておく。

 

  • 体力のある子=集中力のある子

 運動部に所属し毎日のようにハードな練習をしている中学生は勉強時間が取れないので成績があまり良くなかったりする。しかし、中3になり部活を引退した途端、成績がみるみる上がり第一志望校に合格する、といった例をかなり見てきた。これは、ハードな部活によって鍛えられた体力によって引退後の勉強が集中出来た結果に他ならない。

 机に向かうことは体力を要するものだ。だから、体力の無い子は長時間机に向かっていられない。受験学年の子が今から体を鍛えるのは難しいかもしれないが、体力と集中力の因果関係を覚えておいてもらいたい。

 

  • 興味のあることには異常に集中できるはず

 子供に限った話ではないが、人間は興味があれば尋常ではない集中力を発揮できるものだ。ゲームが好きな子は放っておいても登場する膨大な数のキャラクターの名前を完璧に覚えている。漫画が好きな子は何時間でも読んでいられる。これらは興味があるからだ。

 勉強や受験に関しても興味を向けさせれば言われなくても勉強できるようになるはず。では、どうしたら受験に子供の興味を向けさせられるのか?きっかけを与えてあげればよい。学校の文化祭等に連れて行くのが手っ取り早い。子供が気に入れば「どうしてもこの学校に入りたい!」と思うはずだ。そのパワーが勉強の原動力になる。多少邪なきっかけでも良いと思う。例えば「憧れていた先輩が入った。」とか「制服がかわいい。」とかである。何でも良いからきっかけを作ることが出来ればそれが集中力を生み出す。

 生徒のノート見ていると、小さくごちゃごちゃと書いている。これでは、計算ミスを自ら招き入れているようなものだ。また「もったいない」と思っているのだろうか余白も殆どとっていない。見るからに窮屈である。

 字のキレイさには個人差があるだろうが、大きな字で書くこと心がけるべきだ。ミスが格段に減るし、見直すときにも理解しやすい。それから、字だけでなく図も大きく書くこと。質問に来た生徒が僕の書いている図を見て、解説する前に「あ、分かった。もういい。」と理解してしまったことが何度もある。

図を大きく丁寧に書くだけで解けてしまう問題は山ほどある。

 しかし、キレイにしすぎるのはNGである。女子の生徒に多いのだが、色ペンをふんだんに使用してカラフルなノートを作り上げてしまう。色ペンを使用するのは大賛成だが、「文房具屋か?」と思うくらいのペンを筆箱に入れパンパンになっている生徒がいる。こういった生徒はノートを「キレイに」、「カラフルに」することばかりに集中し、肝心の内容が頭に入っていない。

ノートはアートではない。

 「勉強に忙しいから」という理由で我が子にお手伝いをさせないのはもったいない

 お手伝いをすることは本当に勉強になる。

特に台所は知識の宝庫だ。

 おかずに出す旬の野菜の知識が得られるし、魚の産地にも詳しくなる。参考書で読むより実際に目で見て触ってみることの方が数倍強く覚えられるし役にも立つ。台所だけでなく、一緒に買い物にも出かけて欲しい。スーパーの食品売り場は、とても良い学習の場である。野菜・果物・魚・肉・・・。知識をいくらでも増やせる。気候の影響で野菜の値段が驚くほど上下するのも実感できるはずだ。

お手伝いをする子=「出来る」子である。

 ある日、僕の携帯が鳴った。表示された画面で家庭教師先からの電話だと分かったが出ると生徒の声で「いつも算数をみてもらっています〇〇ですが、佐藤先生でいらっしゃいますか?」。驚いた。小学6年生の口調ではない。しかも取って付けたような感じでも、言わされている感じでも無い。いたって自然なのだ。きっと普段から使っているのであろう。

 その子の家に行くと必ず玄関まで迎えに出てきて「こんにちは」と僕の目を見て挨拶してくれる。指導が終わると「ありがとうございました」とお礼を言ってくれる。こちらとしても非常に気持ちが良い。

 躾の問題なのだろう。ご両親がしっかりと言っているに違いない。やはりこのことが勉強にもつながってくる。生活面でしっかりと躾が出来ているご両親は、勉強面でもしっかりと指導出来ている。逆に言えば、

躾すら出来ない親が勉強の指導が出来るはずはないのである。

 まずは挨拶できるように!そこから始めてみましょう!合格が一歩近づくはずである。因みにこの生徒は塾でのクラスを3つも上げ、受験校4校に全勝した。

 「この間やった問題集はどこかな?」とこちらが聞いても、すぐに見つけられない生徒がいる。しかも、その生徒の場合、毎回だ。これは、時間のロスばかりでなく、そういった子は頭の中も良く整理出来ていない。

 問題を解くということは頭の中にある知識を取り出し、それを使って解答を導く。問題を見た瞬間に何が必要なのかを判断し、それを瞬時に取り出さなくてはならない。きちんと整理されて頭に入っていないと時間がかかったり、そもそも取り出せない。

 本棚と頭の中は奇妙な相関関係がある。

 本棚がキレイな子は頭の中もすっきりまとまっているのだが、不思議なことに逆でも構わない。つまり、

本棚を整理すると頭の中も整理されてしまう。

 しかも、整理した瞬間から効果が出始める。整理しているときには、本の種類や重要性を考えながら並べるので、自然とその知識を持った内容も頭の中で整理されてしまうのだ。是非、試して欲しい。

 ただ、この効果は生徒が自分で本棚を整理しなくては意味がない!お母さんが整理してはダメである。生徒自身が本の位置づけをしない限り頭の中も整理されるわけは無い。手伝うのは構わないが手を出してはならない。先述の生徒ではないが、「あの参考書出して」とこちらが言うと「ママー、あの本どこー?」と本棚を見もしないでお母さんを呼ぶ生徒がいた。論外である。

 「意識を変えない限り勉強するようにはならない!」

 と良く言われている。確かにその通りだし理想である。しかし、人間とはとても弱い生き物でそう簡単に意識など変えられないのである。相当強烈な経験でもすればその途端に意識は変わるだろうが、普通に生活している人が「よし!明日から頑張ろう!」などと思っても明日になれば昨日と同じだらけた一日になるのである。

 ではどうしたらよいのか?

 意識が変えられないのであれば先に行動を変えれば良い!

 無理やりにでも行動を変えてみるのである。簡単なものでよいのだ。「朝10分早く起きて計算問題を解く」あるいは「寝る前15分で暗記モノをやっつける」などでよい。それを1週間でもつづけてみると気が付いたら癖になっていて意識まで変化している

 信じられないかもしれないが事実である。「意識」と「行動」、どちらが先でも効果は同じなのだ。半信半疑な人にほど試してもらいたい。

お問合せ・ご相談はこちら

千葉県に本部を置く家庭教師センターSGWでは中学受験・高校受験を目指す都内・県内の生徒さんへ最高レベルの家庭教師を派遣致します。受験指導だけでなく学校の補習・さらには不登校の生徒さんへのサポートも致します。麻布中等の記述対策コースもあります。