漢字や選択肢も出題されるがここでは「記述」の解答に絞って説明する。


自分の言葉で書け!

 過去問の模範解答を見ると完璧な文章が載っている。大人が書いたのだから当たり前である。しかし、実際に解く生徒は小学6年生である。無理に真似をする必要などない。子供っぽい文章で一向に構わない。下手に頑張って大人っぽい文章を書こうとしても採点者に簡単に見破られてしまう。だから、自分の言葉で十分である。胸を張って書こう!


文学的な文章にするな!

 生徒の解答を採点していると、妙に文学的な文章が目立つ。特に国語の得意な生徒がやってしまうことがある。解答は決して文学作品ではないので、そんな必要は全くない。伝えたいことを曲げたり、喩えを使って言い換える必要はない。分かりやすい表現で当たり前に答えるように心がけること。


採点者に考えさせるな!

 頭の回転の速い子にありがちなのが、「自分よがり」な文章になってしまうことだ。つまり、「これくらいのことは分かっているだろうから省くよ・・」と考えてしまい主語や目的語が抜けている文章になってしまうことがある。これはやはり良くない。たとえ本文や設問の内容を知らない人が読んでも意味が通じるような文章にするべきである。採点者に「この文の主語は〇〇だよな?いや、待てよ××か?」などと考えさせてはならない。採点者はそんなに暇ではない。約1,000人分の採点をしなければならないのだから、意味を理解しようと時間を掛けてくれる訳がない。当然バツにして次の採点に進んでしまう。

 これを防止するには、自分で書いた文章を客観視して読んで通じるかどうかを確めてみるしかない。しかし、これがなかなか難しい。大人であってもこの「客観視」は至難の業だ。一番手っ取り早いのは、過去に受けた塾などのテストの解答を自分で読み返してみて欲しい。すでに本文や設問を忘れているくらい古いテストでないと意味がないが、読んでみて意味が通じるだろうか?通じなければ何かがその文章で抜け落ちているはずである。確めて欲しい。


麻布で聞かれる設問パターンは・・・

 麻布で聞かれる記述問題の主なパターンは以下の3つである。

  1. 〜はどういうことですか?説明しなさい。
  2. 〜はなぜですか?説明しなさい。
  3. 主人公の気持ちはどう変化していますか?説明しなさい。

1.について

 これは設問で聞かれている場面が起こった「原因」や「意味」そしてその「結果」などをしっかり理解していればそれほど難問ではない。ぜひ得点しておきたい。落ち着いて答えること。

2.について

 理由を書かせる問題は麻布に限らず頻出であるが、麻布は特に多い。難易度は高くないが解答には深く切り込んだ読み取りが必要になる。例を出して説明したい。下記の二つの解答例を見て欲しい。

問、傍線部アについて、なぜ隆志は母親の手伝いをする気になったのですか?説明しなさい。 

 A. 母親が自分を褒めてくれたから。

 B. 母親が自分を褒めてくれて嬉しかったから。

 AもBも同じ点に注目しているが、Bはしっかり「気持ち」が書かれている。やはりBの勝ちである。Aは浅い。減点は避けられないだろう。麻布の記述では何かしらの事実があったらそれについて登場人物が「どう思ったのか?」まで考えて欲しい。麻布の採点者は必ずここまで考えて採点しているはず。僕が確認したところ、市販されている過去問の解答例ではAのようなものが少なくなかった。僕が採点者であれば容赦なく減点する!皆さんはBのような解答を書く訓練をして欲しい。

3.について

 麻布の国語のクライマックスがこれである。心情変化を問いてくる。

「変化」なのだから必ず始めと後で気持ちが変わっているはずである。パターンはやはり「暗→明」かその反対の「明→暗」が圧倒的に多い。どちらのパターンかは本文をしっかりと読めていれば難しくないはず。そして解答欄をだいたい半分にして、それぞれの気持ちを同量入れるようにしたい。

 それから、文末は「・・・気持ち」あるいは「・・・という思い」としたいが「・・・」に入る言葉に乏しい生徒が多い。「嬉しい」「悲しい」くらいでは人物の細かい心情を表し切れないことも多い。以下に代表的なものを載せておくので確認して欲しい。

「明」のグループ

感謝の気持ち・嬉しく思う気持ち・憧れる気持ち・愛情の気持ち・思いやりの気持ち・いとおしい気持ち・なつかしい気持ち・幸せな気持ち・素直な気持ち・心休まる気持ち・暖かい気持ち・〜したいという前向きな気持ち・〜できたらいいなという気持ち・強く決意する気持ち

「暗」のグループ

腹立たしい気持ち・がっかりした気持ち・あきれてしまう気持ち・気まずい気持ち・残念な気持ち・寂しい気持ち・悲しい気持ち・悲しくやりきれない気持ち・嫌だと思う気持ち・不安な気持ち・つらく苦しい気持ち・打ちひしがれたような気持ち・後ろめたい気持ち・心配する気持ち・〜して欲しいという気持ち・祈るような気持ち

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